この日は、沖縄県浦添市の陽明高校にて出前授業をして参りました。
実は陽明高校でやらせてもらうのは2回目のことでございます。
1回目はコチラ
陽明高校で先生をしてきました(旅194日後・7月13日)
http://nagahamayoshiki.ti-da.net/e3442153.html
1回目の授業を見ていただいていた別の先生からお声をかけて頂きまして、この機会に恵まれました。ありがとうございました。
高校卒業しても高校に入れるっていいですね!
今回の授業のテーマは、簡単に言うと、
「実はみんな結構同じような生活しているよ」
という事に少しウェイトを傾けてみました。
授業前の教室の様子。授業中は写真撮れませんでした!
授業の流れですが、
まず、クラスで5つグループを作ってもらって、
「中東」「アフリカ」「ヨーロッパ」「東南アジア」「中国」
の
5つの国・地域について、各グループで割り振って、
画用紙へ自由にその「イメージ」を書いてもらいます。
これに15分ぐらい。
それから、
写真で僕の旅を追いながらのエピソードトーク。
これが、間に休み時間を挟みますがだいたい50分ぐらい。
先に書いてもらった「イメージ」には、各々色んなイメージが書かれています。それはまさにステレオタイプなイメージになってしまうのですが、素直に書いていただけた証拠であるとも思います。
たまたまアメリカからいらっしゃった英語の補助教員の方もいたので、「一般アメリカ人の持つ日本のイメージ」も書いてもらいました。
覚えている限りですが、ざっと以下に書いてみます。
中東・・・石油王 砂漠 テロや戦争
アフリカ・・・黒人 動物 筋肉モリモリ
ヨーロッパ・・・イケメン多い 権力がある 街がキレイ
東南アジア・・・手でご飯を食べる 家が貧乏 虫食べる
中国・・・パクリばっかり イケメンいない 公害 料理がおいしい
ちなみに、アメリカサイドからの
日本のイメージは
ロボットがどこにでもいる 親族の繋がりが強い 自分の力だけじゃ成功できない社会
というものが挙げられました。
実際、このような極端なイメージの差には、確かに理由はある。
東南アジアの「家が貧乏」というものは、日本ではなかなか見られないぐらいの貧しい家庭もあるわけだし、
アフリカの「動物」というイメージは、アフリカにしか生息しない動物なんかもいて、それがテレビなどで紹介されているもの確かです。
でも全てが全てそのイメージで塗り固められています。
ある高校生の子が、
「将来は海外で働きたいけど、先進国じゃないと嫌だ。他の国では食料を得るのが大変そうだから」
と言っていました。
しかし、実際はもちろんそんな事はありません。
スーパーや市場、小さな商店に行けば食べ物はあるし、食堂だってたくさんあります。
色んな物事を度外視して、「先進国>発展途上国」という2元論的なものの考えをしてしまっている子が多かった。
たとえば、何につけても「日本>タイ」とかいう考えを持っているから、
「バンコクなんか大都会だよ。東京まで行かないにしても大阪ぐらいはあるし、那覇の方が全然小さいよ」
と言っても、子どもたちはただただ驚いてしまいます。
一国の首都ですからね。日本の地方都市より大きいのは当たり前なんです。
地域ごとに生活スタイルや文化などの違いはたくさんあるし、むしろ違いがたくさんあるからこそ、この世界は素晴らしいと思いますが、
でもあまりにも外国の事を「異質」「遠く離れている」という風にどこかで突き放している部分があると思う。
もしも90%一緒でも、10%違うだけでその10%だけがクローズアップされて取り上げられ、そこだけイメージとして残る。
「普通」という情報が大きく欠落しています。
今回の授業はいつものそれとは指向を変えてみました。
指向というかやり方を変えてみました。
旅中出会ったみんなの協力を得て、facebookで「典型的な一日のタイムスケジュール」を送ってもらいました。
すると、別にメキシコだろうがシンガポールだろうが、ドイツだろうがヨルダンだろうが、基本的に、
「起床⇒通学⇒帰宅⇒友人らと遊ぶ⇒テレビ見て寝る」
「起床⇒タバコとコーヒー⇒出勤⇒デート⇒読書⇒寝る」
とか、どこ行ってもごく当たり前の日常なのです。
わざわざ授業でそんな話しなくても、と思う方もいるかもしれませんが、
この当たり前こそが逆になかなか見えてこない部分だと思います。
という事がこの日は言いたくて、授業をさせてもらいました。ありがとうございました。